綺麗な胡蝶蘭をできるだけ長く見たい!胡蝶蘭を日持ちさせる方法とは
カテゴリー:日持ち、育て方、胡蝶蘭、胡蝶蘭選び、贈り物お祝いの贈答品として、鉢植えでいただことの多い胡蝶蘭。
切り花を使ったブーケやアレンジメント、他の花類よりも長持ちするイメージがありますが、実際にはどのくらいの期間楽しめるのでしょうか。
今回は、贈答用胡蝶蘭の通販を手掛ける「アロンアロン」が、胡蝶蘭が日持ちする期間の目安とより長く花を楽しむためのポイントを解説していきます。
目次
あらゆるシーンで活躍!胡蝶蘭の特徴
具体的な開花期間の前に、まずは胡蝶蘭という植物の特徴を学んでいきましょう。
胡蝶蘭の特徴
暑さに強く、寒さに弱い
胡蝶蘭はマレーシア、インドネシア、フィリピン、台湾南部など、赤道付近の熱帯地域原産の植物です。このため、気温15~25度、湿度は60~80%の高温多湿の環境を好みます。
対して、冬のない地域を原産地とするため寒さは非常に苦手。
日本においては、気温と湿度が高くなる初夏から梅雨にかけてが最も元気になり、冬には弱ったり枯れたりしやすくなるものと理解しておくと良いでしょう。
栽培に手間がかからない
数ある植物のなかでも、胡蝶蘭は「着生(ちゃくせい)植物」に分類されます。着生植物とは、岩や大きな木に寄生して育つ植物のことで、少ない水分と栄養で生きていける植物のこと。
原種の胡蝶蘭は熱帯雨林のなか、岩や木に寄生して木漏れ日から光合成を行い、周囲の空気と雨から水分・養分を得て生き延びていたのですね。
現在、贈答用に使われる胡蝶蘭の多くは原種を改良したものですが、この着生植物の性質は確実に受け継がれています。
このため、胡蝶蘭は水やりが7~10日に1回で良く、肥料をあげる必要も基本的にはありません。
飾っている間、少ない手間で花を楽しめるのは贈答品には嬉しい特徴ですね。
花持ちが良く長く楽しめる
1本の茎に対し、数輪~数十輪も咲く胡蝶蘭の花は、花持ちが良いことでも知られています。胡蝶蘭は開花後、よほど生育環境が悪くない限り1か月以上咲き続けることができます。
これも少ない水分・栄養分で生きられる、着生植物であることの恩恵のひとつ。適切に水やりを行えば、2か月ほど花を楽しむことも可能でしょう。
香りや花粉がほとんどない
原種には甘酸っぱい香りがあるとされる胡蝶蘭ですが、改良の末誕生した贈答用の品種には、香りがほとんどありません。また胡蝶蘭の花粉は、粉状ではなく塊状の花粉塊(かふんかい)と呼ばれるもので、花中心部の奥に隠されています。
このため、万が一肌や衣服が花に触れてしまっても、花粉で汚してしまう心配がないのです。
胡蝶蘭はどれほど日持ちするのか
花が咲いた状態の胡蝶蘭をいただいた場合、どのくらい日持ちするものなのでしょうか。
ここからは、贈答品としていただいた胡蝶蘭の一般的な花の寿命と、花が咲き終わった後の胡蝶蘭日持ちについて説明していきます。
一般的には1ヶ月程度、手入れ次第で3ヶ月は持つ
先にも少し述べた通り、開花した胡蝶蘭は平均で1か月ほど咲き続けると言われています。
ただ、花が日持ちする期間は管理する方法や場所、季節によっても変わってきます。
気温が極端に高くなる夏、低くなる冬には劣化が比較的早くなりますし、気温・湿度が胡蝶蘭の好む環境に近くなる春から初夏、秋には花持ちが良くなる傾向が見られます。
適切な場所に設置し、上手にお手入れと管理をすれば、3か月以上花が咲き続けるケースもあるようですよ。
花が散っても枯れるわけではない
受け取ったときに咲いていた花がすべて落ちてしまっても、茎に蕾があるならまだまだ胡蝶蘭を楽しめます。
また、仮にすべての花と蕾が落ちてしまっても、胡蝶蘭そのものの寿命が尽きたわけではありません。
着生植物である胡蝶蘭は、非常に生命力の強い植物です。花が落ちても、心臓部である株と根、光合成を行う葉が元気であればまだ生きています。
花をつけ、咲かせるという行為は胡蝶蘭の体力を非常に消耗します。花の落ちた胡蝶蘭は、次の開花に向け休眠に入ったような状態なのです。
一説には、胡蝶蘭の寿命は50年以上になるとも言われています。
「胡蝶蘭の日持ちする期間」を、胡蝶蘭が生きられる「寿命」で表すなら、数十年ということになります。
あなたの手入れと管理次第では胡蝶蘭と長く付き合えること、そして何度も花を楽しめる可能性があるということは、ぜひ知っておいてください。
胡蝶蘭を日持ちさせる4つのコツ
ここからは胡蝶蘭の花持ち、また胡蝶蘭の寿命を延ばして何度も花を楽しむための手入れ・管理のコツを4つ紹介していきます。
以下4つのコツを守れば、ほぼ間違いなく胡蝶蘭の日持ちを良くすることができますので、ぜひ実践してみましょう。
水をやりすぎない
先述したように、胡蝶蘭は少ない水と栄養で生きられる植物です。可愛がるあまり水や肥料を上げすぎてしまうと、かえって病気の原因となります。
胡蝶蘭の性質に合った、適切な水やりのタイミングと量は以下の通りです。
タイミング | ・基本的には7~10日に1回、根本に注ぐようにして与える ・胡蝶蘭の根元、株と呼ばれる部分を覆っている水苔、またはバークを触ってみて乾燥していれば与えれば良い ・気温が高くなる夏場は、水苔やバークが乾いていれば2~3に1回与えてもOK ・気温が低くなる冬はさらに頻度を減らし、1か月に1回程度与えれば十分 |
与える水の量 | ・1株につき、コップ1杯分の水(200~500ml)が目安 |
その他、注意点 | ・必ず、各株の根元にのみ与えること ・鉢の下に敷いてある皿に溜まった水は、根腐れの原因となるため水やりの都度捨てる ・エアコンや季節の関係で乾燥が気になるようなら、葉に霧吹きをしてやると良い |
また、肥料のやりすぎも厳禁です。
贈答用胡蝶蘭の多くは、出荷前に肥料を与えられているため、以降2~3年は肥料を与える必要がありません。
肥料を与えるタイミングを見極めるには、根の様子に注目するのがおすすめ。
根が伸び、生長が盛んになったのを確認出来たら、液体肥料などを適切な濃度まで薄めて与えましょう。
置く場所を工夫する
本来、岩や他の植物に寄生して生きる胡蝶蘭は、大きな木が作り出す木漏れ日と吹き抜ける風を受けて元気になります。
具体的には、カーテン越しの日光が当たる通気性の良い窓際がベストです。
屋外に置く場合は必ず園芸用の日よけを設置し、その下に胡蝶蘭の鉢植えを置くようにしてください。
なお、以下の条件を満たす場所は胡蝶蘭の置き場所には適しません。根腐れなど、胡蝶蘭を枯らす深刻な病気の原因となりますので、絶対に避けましょう。
【胡蝶蘭の置き場所選び、NG条件】
・直射日光や、エアコンの乾燥した風が直接当たる場所
・気密性が高く風通しの悪い室内や、ベランダの隅
・気温が10度以下になる、冬の屋外
部屋の温度を適温にする
胡蝶蘭の生育環境としては、気温を20度、湿度を60%くらいに保つのが理想的です。
胡蝶蘭の日持ちを良くし、長く育てていきたいなら、エアコンや加湿器をうまく使って気温・室温を適切に保ちましょう。
以下に、季節ごとの気温・湿度コントロールのポイントを紹介しますので参考にしてくださいね。
夏 | ・気温が30度に満たないときは、風通しの良い窓辺に置くと良い ・気温が30度を超える場合は、20度前後に設定したエアコンの効いた部屋へ移動させ、扇風機で涼しい風を柔らかく当てる ・エアコンによる乾燥が気になるときは、葉の周辺の霧吹きをする |
冬 | ・気温が10度を下回ると病気になるので、比較的温度の安定する部屋の中央に置く ・気温が一桁になる真冬には、鉢を毛布や段ボールで覆って胡蝶蘭の保温・保湿をする ・それでも保温が追い付かないときは、直風が当たらないよう気を付けながらエアコンで室温調節をし、加湿器で湿度を60%前後に保つ |
ラッピングは外しておく
贈答用にラッピングされた胡蝶蘭は鉢内が蒸れやすく、通気性の悪い状態になっています。
鉢内の蒸れは、根腐れなど胡蝶蘭を駆らせてしまう重大な病気の発症原因となります。
見た目が美しいラッピングですが、胡蝶蘭の日持ちを良くしたいならできるだけ早めに外しましょう。
もし、見栄えのために外すことが難しいようなら、鉢の底にハサミやカッターで切れ込みを入れて、水と空気の通り道を作るのがおすすめです。
日持ちする胡蝶蘭の見極め方
日持ちさせる方法だけでなく、長持ちする胡蝶蘭の見分け方も知っておきましょう。
胡蝶蘭を購入する際は、以下3点を基準に鮮度を見極めてくださいね。
花びらの大きさや状態を確認する
鮮度の良い胡蝶蘭は、花びらに厚みがあってみずみずしく、傷やシワがありません。
また、咲いている花だけでなくつぼみも付いているもの、花の色や大きさにバラつきが少なく左右対称なものほど、日持ちしやすいでしょう。
葉は艶があり厚みがあるものを選ぶ
花びらと同様、葉も大きくて厚く、濃い緑色であるほど鮮度の良い胡蝶蘭と言えます。
黄色や茶色、白色への変色やシワなど傷みの兆候がないかを確認したうえで、ハリとツヤが良いものを選んでください。
根は全体的に白いものを選ぶ
土の中ではなく、空中に向け伸びていく胡蝶蘭の音は、目視で確認が可能です。
健康な状態の音は全体的に白っぽく、先端が緑色をしています。鮮度の良い胡蝶蘭が欲しいなら、根が白っぽいものを選びましょう。
根が茶色や黒色に変色していたり、根の付近から嫌な臭いがするときは根腐れを起こしている可能性が高いので、避けてくださいね。
まとめ
少ない水と栄養で生きられる胡蝶蘭は、日持ちがしやすく強い植物です。
このため鮮度の良いものを選び、適切な方法で管理・手入れをすれば、3か月もの間花を楽しむことができます。
また花が落ちた後も、枯れるわけではありません。
数十年生き続けることもできるほど胡蝶蘭の寿命は長いため、うまく育てれば何度も花を咲かせてくれます。
本記事を参考に胡蝶蘭を大切に育て、できるだけ日持ちを良くしてあげてくださいね。
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