太陽と月
太陽と月プロジェクト
かつて日本の障害者雇用の大きな担い手は町工場や商店など中小零細企業でした。町内コミュニティーのなかで自然と障害者雇用は進められておりました。しかしながら中小零細企業を取り巻く経営環境は年々厳しくなり次第に大企業による義務雇用の占める割合が多くなってまいりました。これにより統計上の障害者雇用は大きく伸びましたが、知的障害者と精神障害者の雇用環境は依然として厳しい状況が続いております。また、働く意思を持っていながら雇用されない障害者を対象に厚生労働省が行っている「工賃倍増5か年計画」の平成24年度平均工賃は月額14,190円。成人後支給される障害者年金月額約90,000円を加えても日本国憲法第25条にあるような「健康で文化的な最低限の生活を営む」ことは非常に難しい状況と言わざるを得ません。「太陽と月」の企画趣旨は、政府の障害者対策だけに頼るのではなく、民間での問題意識を高めることにより障害者が手がける商品を広め、更なる障害者雇用の促進と工賃向上を目指すというものです。「太陽と月」は「いつでも全ての人々に寄り添う活動として全国に広げたい」という願いをこめたデザインです。今後はこの「太陽と月」が本活動の趣旨に合う商品を識別するマークとしての活用も進める予定です。
バッジができるまで
平成26年11月5日~16日に全国の知的障がい者施設から作品を募集したアールブリュット展「太陽と月を描く」を開催いたしました。また、会場では一般来場者による投票が行われコンセプトマークの原画となる作品(グランプリ作品)を決定いたしました。
- グランプリ・中津川浩章賞
- 谷村虎之介
- 林原賞
- 村瀬貴彦
- 美術手帖賞
- 春日一志
- 障がい者所得倍増議連賞
- 佐々木卓也
- Get in touch賞
- 田久保妙
- AlonAlon賞
- 宮本恵介
- 会場:
- 東京丸の内 MCフォレスト
- 主催:
- 株式会社林原
- 協力:
- 一般社団法人Get in touch、NPO法人AlonAlon
- 協賛:
- 三菱商事株式会社、株式会社ハイパー
- 後援:
- 厚生労働省、障がい者の自立のために所得向上をめざす議員連盟
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アートディレクターの鈴木克彦さんにより谷村虎之介さんの「太陽と月」をコンセプトマークにして頂きました。
バッジデザインとなるだけでなく、今後活動の趣旨に合う商品を識別するマークとしての活用する予定です。 -
平成26年11月17日に首相夫人の安倍昭恵さんのご出席のもと授賞式が開催されました。グランプリ受賞者は谷村虎之介さん。谷村虎之介さんの「太陽と月」は「障がい者の所得向上」の啓発のためのコンセプトマークの原画として採用されることになりました。
- ≪収益金の用途≫
- 障がい者所得向上コンセプトバッジ「太陽と月」の収益金全額はアーティストへの還元と障がい者の隠れた芸術的才能を発掘することを目的としたアート展の開催費用に充てられます。
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- 日本財団 会長
- 笹川陽平さん
日本財団は以前より就労支援を活動の大きな柱としてまいりました。しかしながら、約20年間における障害者就労に関する約2000件の支援はほとんど失敗に終わりました。「障がい者」の商品というだけでは一時的な同情で売れたとしても長続きしないのです。そこで日本財団は新しい考えのもと、「はたらく!NIPPON!計画」を2015年より始動いたしました。
それは事業者の熱意、応援者の力、商品の品質だけではなく、その事業の競争力やビジネスモデルなどを判断し集中的に助成していくことにより、その事業を大きく成長させていくというものです。現在、全国で拡がっている久遠チョコレートや原宿で開店した花とスムージーの店(ローランズ social flower & smoothie shop)など成功例がしだいに増えてきております。
AlonAlonの那部さんは、ご自身も障がいを持つお子様がいらっしゃることもあり、高い志と素晴らしいビジネスモデルを構築し、平均月額工賃が約15,000円あまりの現在において、10万円の工賃を目指しております。
特に胡蝶蘭という付加価値の高い商品でございますので、日本財団としても「これはいけるだろう」と思っております。建物はお金があればつくることができます。そこに魂を入れることが重要です。
このような事業は「社会のために役立っている」とご家族も明るい気持ちにすることができます。皆さまもAlonAlonのお花を買って頂きたい。お知り合いの方でお花を買うというお話しを聞いたらAlonAlonのお花をお勧めしてもらいたい。日本人の素晴らしいDNAで本当の意味で胡蝶蘭を満開にして頂ければ幸いです。
(2017年9月12日 日本財団 笹川陽平会長の挨拶より) -
- 女優・一般社団法人Get in touch代表
- 東ちづるさん
社会が変れば誰もが暮らしやすくなります。(ある特性がマイノリティーとカテゴライズされ、生きづらさを感じてしまうのは、社会に障害があるせい。障害社会ですね。)障がいのある人の自立も、社会が変わる要因のひとつ。「太陽と月」は障がいのある皆さんが関わった商品をみんなで楽しもうというプロジェクトです。つながるため、広げるためのコンセプトバッジができました。誰もが排除されない、排除しない、遠慮しないで配慮し合う「まぜこぜの社会」を目指します。「レッツ まぜこぜ!Get in touch!」
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- 株式会社石毛企画(元西武ライオンズ)
- 石毛宏典さん
私は、野球を通して子供達に健全な心と身体を鍛えることの重要性を教えてきました。技術だけでなく人間としても成長するように指導しており、礼儀・礼節を大切に相手のことを思いやる心を育てています。そしてその環境を作ってくれたご家族や監督・コーチやスタッフの皆さんに感謝することを教えてきました。今回NIPPON ITチャリティー駅伝をサポートさせて頂いているご縁で「太陽と月プロジェクト」を知りました。障害を持っている方々やご家族及び関係者の皆様の情熱に感動し、たくさんの方にご覧頂くためにご支援頂ければ嬉しいです。
このようなご縁を頂き心から感謝し、一生懸命応援させて頂きます。 -
- 美術家
- 中津川浩章さん
どんな社会にも、どんな時代にも生きづらい人たちがいます。「太陽と月を描く」のコンセプトバッジに使用された絵画は、障がいがある作家のものです。
この素晴らしい絵画がデザインされ素敵なバッジになりました。理屈や理念はとても大切ですが、感覚を通じて知って理解して広がっていくことはとても大切です。全員がありのままでその人らしく生きることができたらどんないいでしょう。
障害者の自立のためのこのバッジがシンボルとなって違いがあっても差別のない社会を作っていく助けになることを願っています。 -
- 元内閣総理大臣夫人
- 安倍昭恵さん
私はいま、障害のある方々と交流する機会が数多くあります。このようなとき、私が障害者を助けるというよりは、障害者に助けていただいていることの方が多いように感じます。生きていると何かと迷うことも多い中で、障害のある方々と一緒にいると、なにも飾る必要はない、そのままの自分でいいのだと言ってもらっているようで本当に心安らいだ気持ちになります。障害のある人もない人も、ともに一緒に生きていくことでこそ、真の平和が実現できるのだと確信しています。
「太陽と月」は、障害者のアート作品を通じて、その純粋な魂と触れ合うことができる素晴らしい取り組みであると思います。ぜひ多くの方々からのご支援をお願いいたします。 -
- 参議院議員
- 山田太郎さん
厚生労働省によれば、障がい者の総数は約744万人と言われます。その中でも障がいを持ちながら頑張って働きたいと雇用を願う方は、全体の半分近く、約332万人いらっしゃいます。しかし、一生懸命働いていても、就労継続支援B型事業所で働く障がい者の賃金(工賃)は、月額14,190円という状況です。この様に障がい者の方々の賃金(工賃)が低い理由の一つには、製品が安く買い叩かれてしまうという現実があります。私は、この賃金(工賃)の問題は、障がい者の方々の問題にとどまるものではないと考えています。なぜなら、偏見などにより製品の品質で評価しない実態やいろいろな立場の方の社会参加が認められない環境が賃金にも影響していると考えるからです。日本人のライフスタイルは、多様化を極め、働き方に対する考え方も様々に変化しています。私は、あらゆる生き方・働き方を求める人々が前向きに働ける雇用制度や暮らしやすい社会を整備することが必要だと強く考えております。そして、そのような環境整備を整えることで障がい者ばかりでなく、女性や高齢者も社会で活躍できる機会が増える、全労働者の職場環境が改善すると考えております。ですから、私も民間での問題意識を高めることにより障がい者が手がける商品を広め、更なる障害者雇用の促進と工賃向上を目指すという趣旨に賛同いたし応援しています。
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- アートディレクター
- 鈴木克彦さん
生き生きと生命力のある色や形の谷村さんの大賞作品が「太陽と月プロジェクト」のコンセプトバッジになりました。小さくなっても絵画の魅力は変わらず輝き続けています。ここには、みんなが共存できるカラフルでピースフルな世界が描かれています。このバッジがひとりでも多くの人々に触れ、障がいのある方々にもっと働きやすい、もっと暮らしやすい環境が生まれるためのきっかけになってくれるとうれしいです。
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- 株式会社林原 前社長
- 長瀬玲二さん
㈱林原はさまざまなハンディに負けずに芸術活動を行っている障がい者の方々の才能を一般の方々に知って頂くことを目指し、林原国際芸術祭‘希望の星’の活動を続けてきました。その一環として昨年は障がい者の才能や労働への対価が彼等の所得として還元される健全な社会の実現を目指す活動のシンボルマークのデザインを「太陽と月」をテーマに広く募集し展示しました。その会場で来場者の皆さんの投票をお願いし、得票数の最も多い作品がグランプリとしてバッジデザインに採用されました。このバッジの売上金の一部は作者に還元されることになっています。多くの皆様にこのバッジを身につけていただくことでこの活動への理解が拡がると共に、収益の作者への還元が進むことを祈念しております。
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- 株式会社ハイパー 代表取締役社長
- 玉田宏一さん
㈱ハイパーでは、26年度より“障がい者支援”という目的で“チャレンジド支援プロジェクト”を社内にて発足させました。重度の障がいを抱えながらも、書道8段という腕前を持つ方の毛筆名刺を導入。また、増加する「うつ病」「ひきこもり」等の未就労者を、1人でも多く社会に復帰させることを目的に企画された『NIPPON IT チャリティ駅伝』に協賛させていただき、当社からは総勢20名の社員ランナーが参加しました。AlonAlonフラワープロジェクトにも参加・他企業様をご紹介するなど、微力ながら活動を継続してきました。“皆様を心(ハート)で繋ぐ企業でありたい”という気持ちを込めた当社のロゴマーク。障がい者の方々がより働きやすく、生活しやすい社会に変わっていくよう、共に支え合っていくことが重要であると私は考えています。『太陽と月』プロジェクトがより多くの人に広まり、障がい者雇用の促進が進むよう、応援させていただきます。
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- 参議院議員
- 音喜多駿さん
胡蝶蘭で幸せを届けながら、障がい者の自立を支えるアロンアロンを心より応援しています。
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- 衆議院議員
- 玉木雄一郎さん
「いつでも全ての人々に寄り添う活動として全国に広げたい」という願いをこめた「太陽と月」のデザイン、素敵です。共生社会の実現に向け、教育の現場では、障がい者も共に学ぶインクルーシブ教育の取組みが始まっています。一方、大人たちはどうでしょうか。障がい者の問題を「自分事」として捉えてもらうためには、働く現場こそ、意識改革が必要です。政府の政策だけに頼らず、民間の問題意識を高めていく「太陽と月」プロジェクトを、私は応援しています。
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- 社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 理事長
- 長谷川正人さん
NPO法人AlonAlonの那部智史理事長が、胡蝶蘭栽培で、知的障がい者の月額工賃10万円保障を目標に、千葉県に福祉サービス事業所を立ち上げました。その心意気とビジネスモデルに心からエールを送りたいと思います。
那部さんと私との出会いは数年前。共通の友人からのご紹介でした。
友人曰く「長谷川さんに是非会わせたい人がいる。その人はすごくバイタリティがあって、障がい者の社会自立のために東奔西走して頑張っています。」
そんなご縁で那部さんと私は出会い、私は知的障がい者の学びの場「福祉型大学カレッジ」を日本中に作りたいというお話をしました。しばらくして那部さんからお電話がありました。「長谷川さん、カレッジの取り組みを次回の国会議員の障がい者所得倍増議員連盟の総会でゲストスピーカーとしてお話ししていただけませんか。」唐突なお話に驚くやら嬉しいやら。その場で「もちろん私にできることなら喜んでさせていただきます」とお返事。知的障がい者の高等部卒業後の学びの場作りにとりくんでいる当法人は、約50名の国会議員の皆さんにお話を聴いていただく機会を得ました。私のつたないお話に、議員の皆さん、心から賛同して下さいました。
それから、「諸外国のように日本でも知的障がい者の高等教育を保障するべきではないか」と、議連を代表して、山田太郎参議院議員が、内閣委員会で文科省や厚労省、内閣府に質問し政府に見解を求めたり、13名の国会議員がカレッジ早稲田に視察に来たりと、議連とのご縁により、私たちのその後の活動にも弾みが付きました。
また、カレッジの取り組みに強く共感してくださっている那部さんは、その後、ご自身の息子さん慶太君をカレッジ福岡に託しました。慶太君は現在3年生。夜はグループホームで生活しています。慶太君もお友達との関わりの中で日々の成長していて、月に1回お父さんが東京から会いに来るのを楽しみにしています。
さてこの度、那部理事長は、知的障がいを持つ人たちの働く場として胡蝶蘭の栽培にチャレンジします。知的障がいを持った人たちが、自らの持てる力を活かしながら、生きがいと経済的自立の獲得を目指して胡蝶蘭栽培事業をスタートします。胡蝶蘭栽培は、高度な技術が必要な分野ですが、そこさえしっかりと習得すればおそらく利益率も高いビジネスになるのではないかと推察します。
今回のクラウドファンディングは、たくさんの苗の仕入れにご支援いただくことにより、障がい者の仕事を確保することを目的としています。日本の障がい福祉サービスのモデルとなるに相違ないこの事業に、ひとりでも多くの方々のご支援をいただき、知的障がい者の方々の所得保障を応援していただければと願っています。 -
- NIPPON ITチャリティ駅伝大会実行委員長
- チャックウイルソンさん
Nippon ITチャリティ駅伝は2010年からメンタルダウンした方々の社会復帰を支援するために開催しました。第2回大会からは東北復興支援も加えた大会となり、昨年は8.000人以上の方が来場する一大イベントとなり感謝しております。
今年は昨年同様お台場潮風公園にて11月15日(日)に開催いたしますのでご参加いただければ幸いです。「太陽と月プロジェクト」のことはNIPPON ITチャリティ駅伝のご縁で知り、障害者雇用促進ための晴らしい取り組みに心から賛同し応援致します。一人でも多くの方にご支援いただけますようよろしくお願い致します。 -
- ぜんち共済株式会社 代表取締役社長
- 榎本重秋さん
私がNPO法人AlonAlon那部理事長とお会いしたのは昨年の1月。4月2日の「世界自閉症啓発デー」で東京をブルーに染めるイベント「Warm Blue Day」を企画しておられた一般社団法人 Get in touch の準備会議の席でした。
爽やかな笑顔で周囲を和ます姿に感銘を受け、お話しすると私が大好きなタイプですぐに意気投合!一気にファンになってしまいました(笑)。こんな人気者になるにはどんな秘訣があるんだろう?と那部さんに興味を持った私は、後日の面談で根掘り葉掘りお聞きすることになるのですが、これまでのビジネス経験はもちろんのこと、現在は胡蝶蘭栽培で知的障がい者の月額工賃10万円達成を目標に事業展開しているとお聞きして圧倒されっぱなしでした。
保険を通じて障がい者支援をしている当社にとってみれば、応援したくてたまらない事業目的でしたので、その後当社でお花を贈る機会があれば那部さんの胡蝶蘭を送らせていただいております。
そんな那部さんが、知的障がいのある人達に更なる働く場を提供するため、胡蝶蘭栽培の事業を拡大させます。そのためにクラウドファンディングにもチャレンジします。知的障がいのある人達は、まだまだ働く機会に恵まれておりませんし、所得保障も確立されていません。一人でも多くの方がイキイキと働き、ワクワクした人生を送っていただきたいと願っています。そのためにも今回の那部さんのチャレンジは是非とも成功して欲しいと思っています。
誰にも優しい共生社会を実現するためにも、ひとりでも多くの方々のご賛同ご支援をいただきますよう、心からお願い申し上げます。 -
- アートグリーン株式会社 代表取締役社長
- 田中豊さん
農業と障がい者雇用、農業分野と福祉分野のコラボレーションを推進する動きが活発になっております。
障がい者が自立していく上での一番の大きな問題は、日本社会において就業できる機会が圧倒的に少ないことです。そのような中で、AlonAlonさんでは就業機会を創出し、そしてやりがいをもって、夢中になれる仕事を提供できるプロジェクトを推進されております。この動きに賛同いたし、当社としてサポートできるご縁をもつことができたことを光栄に思っております。
アグリカルチャービジネスを通して、胡蝶蘭苗の安定供給から栽培・出荷・販売まで一貫したサービスを万全の体制で協力・サポートしてまいります。 -
- 公益社団法人東京青年会議所2017年度理事長
- 波多野麻美さん
人はみな、表層・深層に様々な個性を持っています。すべての人々が自分の個性に自信と誇りを持って生きる権利があるのだと私は考えます。誰もが認め合える社会を実現するためには、まず、どのような個性があるのかを知り、かかわっていくことが大切なのではないでしょうか。なぜなら、相手のことを知らなければ、相手を慮ることも、受け入れることも、配慮することもできないからです。
しかしながら、現在の日本社会では自らが意識的に行動しなければ、異なる個性に触れる機会はなかなかありません。私は、そんな貴重な機会を提供してくれるのが「AlonAlonフラワープロジェクト」だと考え、応援しています。
私たち2017年度東京青年会議所では「多様な個性を組織の強みに変えるダイバーシティマネジメント」を推進しています。多様な個性を知ることは、気づきと学びをもたらし、自分の視野を広げ、人生を豊かにしてくれます。
まずは「AlonAlonフラワープロジェクト」にかかわって、異なる個性即ち障害を持った方々のことについて知ってみませんか?考えてみませんか?応援してみませんか?