胡蝶蘭を育てるなら知っておくべき肥料の与え方と、おすすめ10選
カテゴリー:肥料、胡蝶蘭胡蝶蘭を元気に育てるために肥料を与えるには、肥料の選び方や与え方にちょっとしたコツが必要です。
そこで今回は、胡蝶蘭の栽培・ネット通販を手掛ける私たち「アロンアロン」が、胡蝶蘭に肥料を与える前に知っておくべきポイントと正しい与え方を解説。
あわせて、栽培にも携わる私たちがおすすめする10品目の肥料とその特徴も具体的にご紹介しているので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
目次
適切な量とタイミングで、胡蝶蘭に肥料を与えるには
おすすめの肥料やその選び方を具体的に紹介する前に、まずは胡蝶蘭に正しく肥料を与えるために、知っておくべきことを解説していきます。
胡蝶蘭はもともと、少ない栄養で生きていける植物
自然界の胡蝶蘭は熱帯地方のジャングルで岩や他の木に寄生し、少ない水や栄養分で生きている着生(ちゃくせい)植物です。
つまり、胡蝶蘭はもともと少ない水と栄養分でも問題なく生育できる性質を持っているのです。
このため胡蝶蘭は他の植物に比べて、非常に少ない栄養・肥料しか必要としません。
株が元気な状態であれば適量の肥料なら成長を促進する助けとなりますが、多すぎる肥料は株が弱ったり、腐る・枯れる原因にもなります。
肥料は生育を促進できても、弱っているものを回復はさせられない
胡蝶蘭にとって肥料は、元気な状態でこそ栄養となります。弱っている・枯れかけている株を回復させるために与えても効果はなく、かえって株の状態を悪くしてしまう可能性がありますので、使い方には注意が必要です。
胡蝶蘭の肥料は、春~秋にかけての限られた期間しか栄養にならない
胡蝶蘭が株をより成長させるための栄養として肥料を受け取れるのは、気温が15度以上に保たれる時期である、生育期の5~9月のみです。
極端に気温が下がる冬や最高気温が35度以上になる真夏に肥料を与えても、株が弱っていて肥料を栄養として受け取れず、逆に毒となってしまいます。
胡蝶蘭にとって適切なタイミング・量で与えないと、肥料が毒となり得ることはよく理解しておきましょう。
花が咲いているときにも、肥料は与えないで!
肥料はあくまでも胡蝶蘭の根や茎の成長を促し、株そのものに力を蓄えさせるためのものです。このため花がついているときに肥料を与えると、花が落ちてしまう可能性があります。
たとえ生育期でも、花が咲いている間は肥料を与えないようにしてください。
肥料を与えないほうがよいタイミング
手に入れた直後
胡蝶蘭を手に入れた時は開花期であることが多く、すでに生産者が十分な肥料を与えている可能性があります。そのため、開花期は肥料を与えなくても問題がないことが多く、むしろ開花期に肥料を与えると花が枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
生育期で花が咲いているときも開花期と同様に、肥料を与えるのは控えましょう。
胡蝶蘭を手に入れた直後は、花や茎の様子を見て育てるのがコツです。
気温の低い時
亜熱帯植物である胡蝶蘭は温暖な気候を好み、寒さが苦手です。胡蝶蘭は湿度が高く、温度が20℃~30℃の環境を好むため、冬場は室内で管理してください。
成長が止まっている冬場に肥料を与えると、肥料焼けによる根の損傷といったトラブルを起こす可能性があります。
気温の下がる時期は肥料を少なめにする、与えるのを控えて様子を見る工夫が必要です。
水やりについても乾燥させず、過湿にもならないように注意してください。
気温が低い時期には花芽が形成されやすいため、栄養豊富な液肥を与えて管理に努めることで、美しい花を長く楽しむことができます。
植え替え直後
植え替え直後は胡蝶蘭にとってストレスになっているため、植え替え直後に肥料を与えると、回復しようとしている根にかえってストレスを与えてしまいます。植え替え直後は、肥料を控えて様子を見ながら徐々に肥料を与えましょう。
夏場
胡蝶蘭は熱帯植物ですが、気温が30度を超す日本の夏は肥料を与えても根が弱り、栄養が過剰になってしまうことがあります。肥料を栄養として受け付けることができるのは、気温15度くらいが保たれる5月から9月頃の生育期です。
肥料は春から秋の限られた期間のみ栄養になる、と覚えておくといいでしょう。
覚えておきたいこと
胡蝶蘭は少ない栄養と水分で生育できるため、他の植物と違い少ない栄養と肥料で生育ができる植物といえます。胡蝶蘭が元気な時は与えられた肥料を栄養として蓄えることができますが、弱っている時や枯れかけている時に肥料を与えると逆に栄養が過剰な状態になり、弱らせたり枯らせたり腐らせたりする原因になるため、肥料の与え方には注意が必要です。
胡蝶蘭に肥料を与える時は与え方やタイミングも重要ですが、濃度がポイントになります。
濃度の濃さが心配な場合、希釈して薄めたものを与えるといいでしょう。
胡蝶蘭に適した、選ぶべき肥料10選
ここからは、いよいよ胡蝶蘭に与えるのに適した肥料の選び方と、おすすめの肥料について具体的にご紹介していきます。
肥料の種類やそれぞれの特徴も解説しているので、肥料選びの参考にしてくださいね。
胡蝶蘭に適した、肥料の分類
胡蝶蘭の肥料は、大きく「有機肥料」「化学肥料」「固形肥料」「液体肥料」の4つに分類できます。
有機肥料 | 化学系の薬品ではなく、天然由来のものからできている肥料のこと ゆっくりと栄養が染み出す特徴を持ち、胡蝶蘭への悪影響も少ないとされるが、ニオイが強いことが多い |
化学肥料 | 肥料となる成分を化学的に合成して、作られた肥料。無機肥料とも呼ばれる 即効性のものが多いが、有機肥料に比べ効果が強いので与える量には注意が必要 |
固形肥料 | 粉や数センチ大の固形物など、液体ではない形状の肥料 有機肥料、化学肥料のどちらにもにある |
液体肥料 | そのまま、または水で希釈して与える液体の肥料 固形に比べ即効性に優れる。有機・化学肥料のどちらもあるが、化学肥料に多い |
胡蝶蘭に与える、肥料の選び方
基本的には「育てている胡蝶蘭にどのような効果を与えたいか」で決めればOKですが、以下も肥料選びの指標になりますので、参考にしてくださいね。
・肥料に即効性を求めているか、それとも緩効性を求めているか
・肥料を与える回数は多くてもいいのか、少ない方がいいのか
・有機肥料または化学肥料を使うことに対して、こだわりはあるか
・胡蝶蘭に有効な「水溶性リン酸」が含まれているか
胡蝶蘭に与えるべき、おすすめ肥料10選
有機肥料
油粕 | 窒素の含有量が多い固形、または粉状の有機肥料 1か月に1回程度、植え込み材の上に置いて使用する |
骨粉 | リン酸を多く含む、粉状の有機肥料 油粕と混ぜて発酵させてから、使われることもある |
ぼかし肥 | 油粕7に対し、骨粉3の割合であらかじめ混ぜ合わせた有機肥料 発酵させたうえで、固めてあることが多い |
バットグアノ | リン酸を多く含み、胡蝶蘭に効果的とされる有機肥料 こうもりの糞から作られており、粉状をしていることが多い |
化学肥料
《固形肥料》エードボール | 窒素やリン酸の他、マグネシウムやカルシウムを含有する固形の化学肥料 効き目がゆっくりな緩効性 鉢に数粒置くと効果が2~3か月持続する |
プロミック錠剤 | リン酸を多く含み、鉢に数粒置いて使用する固形の化学肥料 効き目がゆっくりと浸透し、一度置くと効果が2~3か月持続する |
マグアンプK | 溶ける速度が非常にゆっくりな遅効性で、粒状の固形化学肥料 一度鉢に置くと、その効果は1~2年もの間持続する |
《液体肥料》
ハイポネックス 洋ラン用 |
窒素・リン酸・カリウムなどの栄養がバランスよく配合された液体化学肥料 胡蝶蘭を含む、洋ラン向けに作られていて使いやすい |
ハイポネックス原液 | 洋ラン用に比べ、窒素・リン酸・カリウムなどの成分濃度が濃い液体化学肥料 希釈する倍率には注意が必要 |
エードポリン3号 | 観葉植物様に開発された、液体化学肥料 胡蝶蘭に対しても、原液のまま使えるのが特徴 |
胡蝶蘭に、正しく肥料を与えるためのポイント
胡蝶蘭の肥料は、与える時期や濃度を間違えると毒となります。
肥料を与えるときは、くれぐれも以下のポイントを守って、胡蝶蘭がきちんと栄養を受け取れるように配慮してあげてくださいね。
・肥料の説明書きに沿って与える量を守り、常に少な目を心がけること
・固形肥料を与えるときは株の根元から離し、鉢の縁に置いておくこと
・液体肥料を与える場合、最低でも1000~3000倍に希釈すること
・濃度が心配なら、念のため液体肥料を3000~5000倍にまで希釈して与えること
・液体肥料は、水を与えるときのように根元に与えること
いかがでしたか?
もともと少ない栄養で生きられる胡蝶蘭に肥料を与えるには、他の植物に比べてタイミングや量に配慮が必要です。
この記事を参考に、あなたの胡蝶蘭が元気になるよう肥料を与えてくださいね。
胡蝶蘭を通販で買うなら、アロンアロンで!
「アロンアロン」は、知的ハンディキャップを持つ方が丹精こめて栽培した胡蝶蘭をはじめ、花束や観葉植物をネット上で販売しています。各種お祝い、お悔やみに花束・胡蝶蘭の購入をお考えなら、【全国送料無料&最短当日発送可能】なアロンアロンをぜひご検討ください。