なぜ?胡蝶蘭が贈答品の定番として日本で愛される理由とその歴史
カテゴリー:日本、歴史、胡蝶蘭現在、胡蝶蘭は日本中でお祝いやお悔みのシーンで活躍する贈答品として、個人からも法人からも親しまれていますよね。
しかし胡蝶蘭はなぜ、いつから、日本で一般的な贈答品として選ばれるようになったのでしょうか。
今回は通販サイトで胡蝶蘭を扱う「アロンアロン」が、胡蝶蘭の歴史を日本での一般化、贈答品としての用途が定着した理由に着目して解説していきます。
いつも何気なく贈っている胡蝶蘭を、もう一歩深く知るきっかけになれば幸いです。
目次
胡蝶蘭の流通と来日の歴史
まずは、胡蝶蘭の発見と改良、来日に関する基本的な歴史を理解していきましょう。1836年、イギリス人によって原産地で発見
胡蝶蘭は今から約200年前、1836年にイギリス人によって原種が発見されました。
発見された場所はマレーシア、インドネシア、フィリピン、台湾など赤道付近の熱帯地域。
年間を通して温かく、適度な湿気があるジャングルの中で、胡蝶蘭の原種は以下のような姿で生きていたと言います。
大きさ | ・花茎の長さ=全体の高さは50~80㎝くらい ・現在一般的な大輪サイズではなく、ミディサイズくらいの大きさ |
生育環境 | ・他の木、または岩などに寄生して自生していた ・気温は25度前後、湿度は60%程度、風通しが良く木漏れ日の当たる場所に生息 |
見た目 | ・全体的に小ぶりで、花自体の大きさも今より小さかった ・白いものは全体の2割程度で、ほとんどの花に複数の色や模様が入っていた |
原種の胡蝶蘭の花は、現在のような鮮やかな色ではなく混雑色が多かったと言います。
蛾が羽を広げたように見えたことから、胡蝶蘭の英名・学名には「Phalaenopsis(蛾のような)」という言葉が入っているんですよ。
1887年から品種改良開始、明治時代には日本へ
胡蝶蘭の美しさに魅了されたイギリス人たちは、より大きく、より美しく鮮やかな花をつける胡蝶蘭の生産をめざし品種改良を始めます。
原種には少なかったまじりっけのない白い胡蝶蘭を培養し、栽培していったのです。
そして現在に近い白く、大きな花をつけるところまで品種改良がされたタイミングで、いよいよイギリスから日本へ胡蝶蘭が持ち込まれました。
来日当初、日本で胡蝶蘭の栽培&流通は難しかった…
品種改良の過程で見た目は美しく、原産地に比べ寒冷な気候への耐性もある程度つけていた胡蝶蘭ですが、日本での栽培は難しい状態でした。このため来日当初、胡蝶蘭は大変貴重で、高貴な身分の人のみが鑑賞できる高価な花だったのです。
大正時代には、日本での安定生産が可能に
なかなか日本での栽培・流通がうまくいかなかった胡蝶蘭ですが、明治末期から大正時代に入る頃になると、胡蝶蘭を栽培するための設備と技術が発展してきます。
品種改良も盛んに行われ、白色やピンク色など、多様な種類の胡蝶蘭も誕生。
安定した栽培するための設備、技術が発達したことも相まって、胡蝶蘭を栽培しようという農家も増えてきました。
これにより、日本国内での胡蝶蘭の栽培量と流通量は一気に増え、徐々に一般市民にも親しまれるようになっていったと言います。
その後も技術発展は続き、年間を通して栽培できる花へ
現在、大規模な胡蝶蘭農園はコンピュータで温度管理をしながら、日々たくさんの胡蝶蘭を生産しています。
近年では、より安定した質・量の胡蝶蘭を生産するために質の良い胡蝶蘭の芽を採取し、壺やフラスコの中で温度管理しながら育てていく手法が用いられているんですよ。
胡蝶蘭が日本で贈答品として定着した理由
安定して生産できるようになり、日本でも一般的に知られるようになった胡蝶蘭。
そんな胡蝶蘭が贈答品として日本で定着した理由は、以下の4つです。
縁起を担ぐ日本人の気風にマッチしたから
日本人は昔から言霊(ことだま)を信じ、言葉そのものの意味や響きを重視してきました。
お祝いやお悔みのシーンでは、それぞれ使って良い言葉と使ってはいけない言葉・忌み言葉が決められ、適切に使い分けることがマナーとされているほど。
「幸福が飛んでくる」という縁起の良い花言葉を持つ胡蝶蘭は、縁起を担ぐのが好きな日本人の心を捉えたと考えられます。
こうして、お祝い=縁起の良いもの=胡蝶蘭というイメージが定着したのでしょう。
少し高価で、贈り物の価格帯に合うから
贈答品に使われることの多い大輪サイズの胡蝶蘭は、20,000円~と花にしては高価ですよね。
この価格設定も、取引先や大切な人へお祝いを贈る時にかけるべき予算、適性価格に近いため贈答用の花として胡蝶蘭が選ばれているのでしょう。
年間を通して手に入れやすい花になったから
栽培の設備・技術の向上により、胡蝶蘭は季節を問わず年間を通して安定生産され、いつでも同じくらいの価格で手に入る花になりました。
このことも、胡蝶蘭がさまざまなイベントの贈答品として活用されている一因でしょう。
華やかで、比較的管理がラクな花だから
原産地で少ない水・栄養で生きてきた胡蝶蘭は、こまめな水やりや世話を必要としません。
暖かい室内に置いてときどき窓辺で日光を当ててやり、7~10日に1回を目安に水やりをすればOKです。
華やかなのに、贈り先での管理に手間が少ないところも、贈答品として胡蝶蘭が選ばれ、喜ばれる一因かもしれませんね。
胡蝶蘭は、お祝いシーンでは相手の門出や慶事を盛り上げ、お悔みのシーンでは相手の悲しみを癒す贈り物となってくれます。
その歴史を知ったうえで、何かあったときには心を込めて贈って差し上げてくださいね。
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