胡蝶蘭の葉に出る異常の原因と適切な対処法は?症状から見る解説書
カテゴリー:胡蝶蘭、葉大切に育てている胡蝶蘭の葉の質感や色に変化があったなら、それは株の異常や病気を知らせる胡蝶蘭からのサインかもしれません。
今回は、インターネットサイトでお祝い用の胡蝶蘭や観葉植物を販売する「アロンアロン」が、胡蝶蘭の葉に現れる異常やその原因・適切な対処法などについて解説!
具体的な症状から、考えられる原因と適切な対処法を確認できる解説書を作りました。
胡蝶蘭の葉の役割や、健康な状態を示す特徴なども一緒にご紹介していますので、あなたの胡蝶蘭の管理・育成にお役立てください。
目次
育てるなら知っておきたい、胡蝶蘭の「葉」の基礎知識
異常やその原因・対処法について説明する前に、まずは胡蝶蘭の葉にどのような役割があるのか、健康な状態がどのような見た目や質感なのか理解していきましょう。
胡蝶蘭の葉の役割
胡蝶蘭の葉の主な役割は、光合成をして生きるのに必要な栄養を作り出すことです。
ミニサイズやミディサイズの株なら3~4枚、大輪胡蝶蘭の株でも5~6枚葉がついていれば、胡蝶蘭の健康な生育と成長に十分な栄養を蓄えられると言われています。
胡蝶蘭の葉はバロメーター
葉は部分的な病気の他、胡蝶蘭の心臓部である株の異常・病気の症状がいち早く現れる健康バロメーターのような部位です。葉に現れる異常や変化にいかに気付き、迅速に適切な対処をとれるかどうかが、胡蝶蘭を病気から救えるかどうかの分かれ目となります。
胡蝶蘭をできるだけ長く、元気に育てていきたいなら、毎度の水やりとあわせて葉の状態を観察するようクセづけてみましょう。
健康な状態の胡蝶蘭の葉の特徴
異常や病気・変化に気が付くためには、健康な葉の状態を知る必要がありますよね。
以下に、健康な状態の胡蝶蘭の葉に見られる特徴をまとめましたので、確認してくださいね。
《健康な胡蝶蘭の葉の特徴》
・全体に深い緑色をしていて、色ムラがない
・水分を多く貯え、つやつやしていてハリがある
・葉が根元からきゅっと引き締まっている
・全体的に葉が広がっておらず、上を向いている
こんな状態のときは要注意!
病気を疑うような顕著な変化がなくても、胡蝶蘭の葉に以下のような特徴が見られるときは、株が弱り健康状態が悪くなっていると予測されます。健康な葉の特徴とあわせて、確認しておいてくださいね。
《健康状態の悪い胡蝶蘭の葉の特徴》
・葉の緑色が薄くなってきてツヤもない
・葉の一部が欠けたりして、かたちが不揃いになっている
・根元から葉がたるみ、全体的に葉が広がっている
4つの症状別!胡蝶蘭の葉の異常の原因・病気と対処法
胡蝶蘭の葉に現れる異常のパターンとしては、以下4つが考えられます。
《1》葉に全体的、または部分的な変色が見られる!
《2》しわしわ、ベタベタなど葉の質感に変化があった!
《3》葉につやがなく、しおれてしまった!
《4》葉に何か付着している!
以下からは、それぞれの症状別に考えられる原因・胡蝶蘭の病気と、とるべき適切な対処法について具体的に説明していきます。
順番に確認していきましょう。
《1》葉に全体的、または部分的な変色が見られる!
全体的な変色がある場合には葉焼け、寿命による葉枯れが考えられます。
葉焼けによる症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・位置にかかわらず、葉が茶色や黄色に変色する ・乾いて白っぽい、または黒っぽい見た目になる |
原因 | 直射日光によって葉が日焼けし、傷んだことによるもの |
対処法 | ・直射日光が当たらない、レース越しの柔らかい光が当たる場所へ移す。 ・変色したところは、直火消毒したはさみで切り取って症状拡大を防ぐ。 ・変色が葉の全体、広範囲に及んでいる場合は、葉が枯れ落ちるのを待つ。 |
葉枯れによる症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・根に近い低い位置にある葉から、黄色や茶色に変色する ・変色とともに、葉が薄くしわしわになってくる |
原因 | 寿命や養分回収のために起こる、自然な現象で病気ではない |
対処法 | ・手で無理やりちぎったりせず、完全に枯れるまで放っておく ・完全に枯れたら、指先で軽くつまんで取り除けば良い ・完全に枯れて自然に落ちるまで放っておき、葉を取るだけでもOK |
一方、部分的な変色がある場合にはフザリュームによる立ち枯れ病、軟腐病、褐斑細菌病、炭疽病などの病気であると考えられます
立ち枯れ病による症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉の黄色への変色が、急速に起こる ・下の方の葉から、落ちていってしまう |
原因 | 水滴や湿気で葉が蒸れて、カビの一種であるフザリュームに感染したため |
対処法 | ・まず、風邪通しが良く蒸れが起こりにくい環境に鉢を移動させる ・タチガレン、リドミルなどの薬剤を患部に塗布して、様子を見る ・フザリュームへの感染が根や茎にも及んでいるようなら、直火消毒したはさみで患部を切り取り、植え替えをする |
軟腐病・褐斑細菌病による症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉が濡れているように見えるような、独特な斑点ができる ・斑点が淡い茶褐色に変化し、葉がぶよぶよに腐っていく |
原因 | 高温多湿が原因で、葉の小さな傷から細菌に感染してしまったため |
対処法 | ・まず、風邪通しが良く蒸れが起こりにくい環境に鉢を移動させる ・変色している患部を、直火で消毒済みのはさみで大きめに切り取る ・切り取った部分と周囲に、スターナやナレート、台所用塩素系殺菌剤などを塗布する |
炭疽病による症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・小さく淡い茶褐色の斑点が現れる ・斑点が少しずつ大きくなり、黒く変色する |
原因 | 弱った葉に、活発化したカビなどがダメージを与えたことによるもの |
対処法 | ・直火消毒したはさみで、斑点の周囲5㎜くらいずつを大きめに切り取る ・切り取った患部周辺にダイセン、ダコニールなどの薬剤を塗布する |
《2》しわしわ、ベタベタなど葉の質感に変化があった!
見た目や触れたときの葉の質感に変化が見られるときは、根腐れまたは葉ダニによる被害だと考えられます。
根腐れによる症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉につやがなく、しわが出て質感が変化する ・しわがある葉の周辺の茎にも、少ししわが見られる |
原因 | 水・肥料のやり過ぎと通気性の悪さから、株の根が腐り傷んだことによるもの |
対処法 | ・直火消毒したはさみ、新しい鉢、植え込み材を用意して植え替えをする ・植え替える際に、傷んで色や質感が変化している根や茎、葉は取り除く |
葉ダニによる症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉につやがなくなる ・葉の裏側に白い斑点があり、触るとベタベタする ・よく見ると、葉の裏側が白くかすり状になっている |
原因 | 高温と乾燥した環境下で、害虫の一種である葉ダニが発生・寄生したことによるもの |
対処法 | ・葉ダニが寄生している葉裏に、2~3日続けて霧吹きなどで水をかけて駆除する |
《3》葉につやがなく、しおれてしまった!
葉につややハリがなくなり、しおれたように見えるならルゾクトニアによる立ち枯れ病だと考えられます。
立ち枯れ病による症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉につやがなくなる ・黄色く変色するより先に、葉がしおれて落ちてしまう |
原因 | 水のやり過ぎや通気性の悪さが原因で、根にルゾクトニア菌が感染したことによるもの |
対処法 | ・水やりを中止し、葉の裏表と根元がしっとりする程度の霧吹きのみに切り替える ・霧吹きによる少量の水やりを、新芽が出てきてからしばらく経つまで続ける |
《4》葉に何か付着している!
葉に白っぽい、粉のようなものが付着している場合は、コナカイガラムシが葉に寄生している可能性が高いでしょう。
立ち枯れ病による症状と原因、適切な対処法
主な症状 | ・葉の裏に、粉のようなワタのような、白くふわふわしたものが付着している |
原因 | コナカイガラムシが寄生し、葉裏から水分・養分を吸い取っている状態 |
対処法 | ・園芸店などで手に入る害虫駆除剤などを散布して、自然に剥がれ落ちるのを待つ ・コナカイガラムシ対策の薬剤は、寄生が確認された鉢だけでなく周囲の鉢にも行う ・葉が傷つき、感染症の原因となるため直接触れての駆除作業は避けること! |
異常が出る前に!胡蝶蘭を病気から守る3つの予防法
胡蝶蘭は育て方や環境、病原菌や害虫によってさまざまな病気にかかることがあります。
大切な胡蝶蘭が病気にかからないようにするにはどうしたらいいのか、効果的な対策法を3つみていきましょう。
胡蝶蘭を置く場所の環境を急激に変化させない
胡蝶蘭が育つのに適した環境は「風通しが良い」「木漏れ日程度の日当たりが当たる場所」「湿度が50〜60%」などが挙げられます。
そのため「風通しが悪く蒸れやすい」「直射日光が当たる」場所は胡蝶蘭が病気になったり、枯れてしまったりする可能性があるため注意が必要です。
また胡蝶蘭は環境に適応する能力が強く、多少寒かったり暑かったりしてもすぐに環境に適応しようとするため、置いていた環境から急激に環境を変化させてしまうと、葉焼けや凍傷を引き起こすこともあります。
胡蝶蘭を育てるのに適した環境を探す際は、胡蝶蘭を置く場所の環境を急激に変化させないようにしましょう。
風通しのよい環境で育てる
胡蝶蘭は亜熱帯原産の植物で、高温多湿の環境を好みます。
しかし必要以上に多湿状態になると枯れてしまうことがあるため、蒸れを防ぐために風通しの良い場所に置くことが重要です。
胡蝶蘭はエアコンの風が苦手なため、エアコンの風が直接当たる場所での管理は避けましょう。
胡蝶蘭にとって風通しが良いことも重要ですが、強すぎる風が当たっても胡蝶蘭に適した湿度を保てません。
胡蝶蘭を置く場所は、自然に風が通る場所を選んであげましょう。
乾燥状態のまま放置しない
胡蝶蘭は、空気中からも水分を補給できる特徴を持ちます。
そのため一般的な植物と比べると補給できる水分の量が多く、季節によって変わりますが、水やりは1週間~10日に1回ほどの頻度が適しているのです。
胡蝶蘭にとって水のやりすぎも病気を引き起こす原因となりますが、水をあげずに乾燥状態のまま放置することも避けなくてはいけません。
胡蝶蘭が乾燥状態になると古い葉や根っこを枯らしてしまう他に、乾燥状態を好む害虫が胡蝶蘭に取り付き、病気を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
いかがでしたか?
胡蝶蘭の葉は、株の状態・異常を私たちに教えてくれる重要な部位です。
日々しっかりと観察し、胡蝶蘭が健やかに生育できるよう対処してあげましょう。
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