必要な対策はコレ!ベランダなど、夏場の戸外での胡蝶蘭の育て方
カテゴリー:夏場、戸外での育て方、胡蝶蘭気温が高く日照時間が長くなる夏は、他の植物と同じく、胡蝶蘭にとっても生長期です。
このため初夏から夏にかけては、戸外で胡蝶蘭を育てる人も多いのではないでしょうか。
今回は贈答用胡蝶蘭のネット通販を手掛ける「アロンアロン」が、夏場、ベランダなどの戸外で胡蝶蘭を育てる際に必要な対策を解説。
また、高温多湿な日本の夏場に戸外で胡蝶蘭を育てることのリスク、株の生長促進のためにできることも一緒に紹介していきます。
あなたの胡蝶蘭を夏場のトラブルから守り、元気に次の春を迎えられるよう、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
目次
日本の夏、胡蝶蘭には暑すぎるかも!
熱帯地方原産の胡蝶蘭は、暖かく適度な湿度のある以下のような環境を最も好みます。
胡蝶蘭の原産地に近い環境
気温 | 18~25度前後 |
湿度 | 60~80% |
しかし、近年の日本では都市部を中心に日中の最高気温が30度を超える日や、35度以上になる猛暑日が続くことも珍しくありません。
また、胡蝶蘭はもともと高い木々や岩に寄生し、少ない日光・水・栄養で生きられる着生(ちゃくせい)植物であったため、直射日光が苦手です。
日本の夏場、特にコンクリートに囲まれ気温が高くなる都心部の住宅街、1日中日光が降り注ぐベランダなどの戸外は、胡蝶蘭にとって暑すぎる過酷な環境と言えます。
夏場の胡蝶蘭、戸外で育てるための3つのカギ
胡蝶蘭にとって過酷な日本の夏。しっかりと生長させ、元気に乗り越えさせるためには適切な遮光、遮熱、水やりがカギとなります。
次項からは、遮光・遮熱をメインとした夏場の戸外での適切な胡蝶蘭の置き場所、そして水と肥料の与え方のポイントを順に見ていきましょう。
夏場、戸外での適切な胡蝶蘭の設置方法
まずは夏場、戸外で育てる場合の胡蝶蘭の適切な設置方法を遮光、遮熱、風通しの3つのポイントに分けて紹介していきます。
夏の胡蝶蘭、適切な遮光のポイント
胡蝶蘭の葉は直射日光に弱く、一定の時間以上日光に当たり続けると変色し「葉焼け」と呼ばれる病気になることがあります。
夏場の戸外で胡蝶蘭を元気に育てるには、生長に必要な適量・一定時間は日光を浴びせつつ、過度な直射日光からは守ってやらなければなりません。
具体的には、50~70%の遮光が必要になります。
鉢植えを明るい日陰に設置するか、ホームセンターなどで購入できる「遮光ネット」、または「寒冷紗(かんれいしゃ)」を胡蝶蘭の周囲に設置して、直射日光を遮ってください。
夏の胡蝶蘭、適切な遮熱のポイント
アスファルトの地面や、コンクリートで作られた集合住宅の壁・床は、夏の日差しを受けて高温を保つ性質があります。
このため気温が30度前後でも、アスファルトやコンクリートの地面近くでは、気温が40度近くまで高くなることも。
そんな熱気のこもる場所に直接鉢植えを置いては、胡蝶蘭はひとたまりもありません。
夏場に戸外で胡蝶蘭を育てるなら、以下いずれかの対策をして遮熱を行ってください。
夏場、戸外の胡蝶蘭にできる遮熱対策
・床や地面に直接鉢を置かず、木製のスノコを敷いて設置する・ガーデニング用の棚を用意し、地面から離れた高い位置に鉢を置く
・小さい鉢なら、専用の鉢や器具を使って窓枠や木の上から吊るす
・鉢を地面から離したうえで周囲に打ち水をし、周辺の気温を下げる
・霧吹きで葉に水を吹きかけ、鉢全体の温度を下げる
夏の胡蝶蘭、風通し確保のポイント
適度な湿度を好む胡蝶蘭ですが、根は蒸れに弱い性質があります。
このため、胡蝶蘭は風通しが良く、鉢の内部が蒸れにくい場所への設置が推奨されています。
遮光・遮熱と同じく、風通しの確保も夏の戸外で胡蝶蘭を育てるうえでのマスト条件です。
遮熱対策のための棚やスノコの利用、鉢を吊るすことも非常に有効ですが、心配ならサーキュレーターなども使って空気を巡回させると良いでしょう。
夏場、戸外での適切な胡蝶蘭の水やり方法
夏場や戸外での胡蝶蘭に水やりはどのようなところに注意が必要なのでしょうか。
水の与え方を間違えると、胡蝶蘭を枯らしてしまいかねません。
ここからは梅雨の季節と夏場、肥料の与え方のコツを紹介するので、参考にしてください。
梅雨(6〜7月)の水やり方法
気温も湿度も上がる梅雨の時期はエアコンで温度を調整する必要はなく、風通しのいいところに置くと良いでしょう。
水やりは指で植え込みを押し湿っていなければ、1週間くらいの感覚で、1株につきコップ1杯(約200ml)を目安に、根元からゆっくりと水を与えます。
自然の雨には胡蝶蘭の栄養になるミネラル分が含まれているため、可能であれば雨に当ててあげるといいでしょう。
梅雨の時期は湿度が高く、特に雨のあとは根に水分が溜まりやすいことから、しっかり乾燥させることで、根腐れを防ぐことができます。
根腐れを防止するためにも水の与えすぎに注意し、受け皿に溜まった余分な水分を捨ててください。
戸外で育てるときは、できるだけ胡蝶蘭が生育している亜熱帯の環境に近づけてあげるのがポイントです。
真夏(8月〜9月)の水やり方法
梅雨が明けた夏場は、胡蝶が成長する時期です。
2日から3日、1株につき約500mlを目安に、他の季節より多めに水を与えましょう。
夏場でも他の季節と同じように、植え込み材がしっかり乾いてから水を与えてください。
植え込み材の表面が乾いても土の中は湿っている場合があるため、毎日水をあげる必要はありません。
湿度が高い日は風通しのいいところに置き、しっかり乾燥させてあげましょう。
【参考】肥料はどのようにあげたらよい?
胡蝶蘭はもともと、少ない水分と栄養で育つ植物です。
購入したばかりの胡蝶蘭はプロがしっかり管理して育てているため、肥料を与える必要はありません。
成長期が夏の胡蝶蘭はこの時期特に栄養が必要になりますが、夏は気温が高く水分が蒸発しやすいため、与えた肥料が濃くなりがちです。
通常の希釈濃度よりさらに5倍程度に薄めた肥料を与え、水やりは控えましょう。
胡蝶蘭が元気な時であれば肥料を与え、弱っている時は根腐れを起こしやすくなるため控えてください。
また花が咲いている開花期に肥料を与えると花を枯らしてしまうことがあるため、注意しましょう。
いかがでしたか?
高温多湿な日本の夏場、戸外で胡蝶蘭を育てることには室内にないリスクが伴います。
しかし一方で、適切な対策さえ講じれば、より自然に近い環境で胡蝶蘭を育ててあげられるという利点もあります。
戸外で胡蝶蘭を育てていきたいなら、あなたがしかりとサポートしてあげましょう。
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