プロが解説!胡蝶蘭の《育て方・寿命・病気・増やし方》とは?
カテゴリー:増やし方、季節、寿命、株分け、病気、胡蝶蘭胡蝶蘭を育てようと思うけど、どうしたらいいかわからず困っていませんか?
最適な育て方や病気の知識・増やし方など、実際に栽培に挑戦する前に知っておきたいですよね。
今回は、胡蝶蘭のプロである私たち「アロンアロン」が、胡蝶蘭を育てるうえで知っておくべき【育て方】【寿命と病気】【増やし方】を詳しく解説!
季節や大きさによる育て方の違いや、症状別の病気の見分け方、「株分け」による胡蝶蘭の増やし方まで紹介しています。
最後まで読んで、胡蝶蘭に対する理解を深めてくださいね。
目次
胡蝶蘭はどうやって育てればいいの?
まずはじめに、胡蝶蘭の育て方を、種類や季節ごとの違いも含めてご説明していきます。
胡蝶蘭の基本的な育て方
胡蝶蘭を育てるのに最適な【環境】【肥料】【水やり】について、以下の表にまとめましたので確認してください。
水やり | 1週間~10日に1度、200~500mlを根本にゆっくりと与える |
肥料 | 基本的に不要 |
環境 |
・カーテン越しの柔らかい日光が当たる、風通しの良い場所に置く ・60~80%くらいの湿度をキープする ・15~25度くらいの気温が望ましい |
さらに詳しく【胡蝶蘭の育て方】について知りたい方は、こちらからご確認ください。
大きさによって育て方に違いはあるの?
胡蝶蘭には「大輪」「ミディ」「ミニ」「マイクロ」などさまざまなサイズがありますが、育て方がサイズによって変わることはありません。
季節による違いはあるの?
四季があり、年間の気温・湿度差の大きい日本では、胡蝶蘭の育て方も季節ごとに変えるのが望ましいです。
1年を【春】【梅雨】【夏】【秋】【冬】の5つの季節に分けて、季節ごとの水やりと環境作りの違いについてご説明します。
春 |
【水やり】 基本に従い1週間~10日に1度、500mlほどを根元にゆっくり与える 【環境】 ・昼夜の気温差が15~20度の間になるよう注意する ・エアコン等で乾燥しているなら、葉に霧吹きをして加湿する |
梅雨 |
【水やり】 自分で与えるより、自然の雨をたっぷりとあてると良い 【環境】 ・特に気温・室温の調整は必要なく常温でOK ・根が蒸れないよう、受け皿の水は必ず捨てる |
夏 |
【水やり】 室内栽培の場合…500mlほどの水を2~3日に1度根元にゆっくり与える 室外栽培の場合…500mlほどの水を毎日根元にゆっくり与える 【環境】 ・室内の場合…常温で良いが、こまめな換気が必要 ・室外の場合…直射日光が当たらないよう日除けを作る ・根が蒸れないよう、受け皿の水は必ず捨てる |
秋 |
【水やり】 基本に従い1週間~10日に1度、500mlほどを根元にゆっくり与える 【環境】 ・常温で良いが、こまめな換気が必要 ・根が蒸れないよう、受け皿の水は必ず捨てる |
冬 |
【水やり】 4週間に1度、暖かい午前中に200ml程度のぬるま湯を根元に与える 【環境】 ・昼間は日光のあたる窓辺に、夜間は部屋の中央に置いて保温する ・エアコン等で乾燥しているなら、葉に霧吹きをして加湿する |
さらに詳しく【季節ごとの育て方の違い】を知りたい方は、こちらからご確認ください。
胡蝶蘭の「寿命と病気」をチェック!
次に、胡蝶蘭を育てるなら知っておきたい本来の寿命と病気について確認しましょう。
胡蝶蘭の寿命は?
胡蝶蘭は大変生命力が強い植物です。
うまく育てれば50年前後も生きられるうえ、何度も花を咲かせることができると言われています。
病気の兆候はどこに現れるの?
胡蝶蘭の病気の兆候は、その原因によってあらゆる部位に現れます。
以下に、症状が出る【花】【葉】【根】の3つの部位別に、可能性のある病名をまとめましたので参考にしてください。
花の気になる症状と可能性のある病気
症状 | 考えられる病気 |
灰色の斑点が出ている | 灰色カビ病 |
黄色く変色している | アザミウマ(スリップス)の寄生 |
しおれる | 低温障害 |
花やつぼみが落ちる | アブラムシの寄生 |
葉の気になる症状と可能性のある病気
症状 | 考えられる病気 |
黄色く変色している | 葉やけ、フザリューム菌による立ち枯れ病 |
斑点ができている |
【褐色の斑点】軟腐病・褐斑細菌病 【黒色の斑点】炭そ病 |
カビのようなものが付いている | コナカイガラムシの寄生 |
ツヤがない | 葉ダニ、ルゾクトニア菌による立ち枯れ病 |
根の気になる症状と可能性のある病気
鉢の蒸れすぎや感染症などの病気により、根が傷み腐ることを「根腐れ」と言います。以下のような症状がある場合は何らかの原因で「根腐れ」を起こしている可能性が高いので、早急に植え替えを行いましょう。
症状 | 考えられる病気 |
・根・植え込み材の表面にカビが生えている ・植え込み材の根元がカビ臭い ・葉が変色したりしていて、元気がない |
根腐れ |
胡蝶蘭の【病気と適切な対処法】をもっと知りたい方は、こちらも併せて参考にしてくださいね。
胡蝶蘭は「株分け」で増やせる!
胡蝶蘭の育て方と、知っておくべき病気の症状について理解できましたか?
最後に、胡蝶蘭が元気に育って発芽・発根したときに挑戦したい「株分け」についてご説明します。
「株分け」とは?
「株分け」とは、株から新しい根や花芽が出てきたときに「親株から一部を根ごと切り離し、新しい鉢に移し替えること」を指します。
こんな状態なら「株分け」を!
株分けを実施すべき状況として、以下の2つが挙げられます。
・茎から根や葉が新しくのび「高芽」が出ているとき
・株の根元から、今までなかった新しい目が生え「子株」ができているとき
「高芽」の株分け方法
「高芽」が出ているときの「株分け」の手順は、以下の通りです。《1》根が5㎝以上伸びた状態の「高芽」を、茎を5センチほど残してカットします。
《2》根を吸水させた水苔で優しく覆い、根の大きさに合わせたサイズの鉢に植え替えます。
「子株」の株分け方法
「子株」ができている場合は、以下の手順で「株分け」を行います。《1》親株ごと鉢から抜き取り、根の周りの植え込み材を取り除きます。
《2》根ごと子株を親株から切り離します。このとき、根を傷つけないよう注意してください。
《3》子株の根に水苔を巻き付け、新しい鉢に移し替えます。
《時期は「春」を狙って!》
「株分け」は、胡蝶蘭の成長開始時期にあたる春(4~6月)に、気温が18度以上になる日を狙って行いましょう。
株分けのための準備物、実施後の置き場所や水やりは植え替えの時と同様です。
もっと詳しく知りたい方は、下記の2つの記事もチェックしてくださいね。
▼植え替えの【準備】について知りたい方はこちら▼
《準備編》誰でもできる!プロが教える胡蝶蘭の植え替えのコツ
▼植え替えの【方法とその後の管理】について知りたい方はこちら▼
《実践編》誰でもできる!プロが教える胡蝶蘭の植え替えのコツ
胡蝶蘭を処分するには
枯れているかを確認する方法は?
「胡蝶蘭の花がしおれてしまった」「なんだか元気がない」などの状態なら、胡蝶蘭がすでに枯れてしまったと感じるかもしれません。しかし胡蝶蘭は、本来50年以上生きる長寿であるため、本当に枯れてしまっているか確かめることが重要です。
ここから、胡蝶蘭の【葉】と【根】の状態に着目して、本当に枯れてしまっているか確認する方法を紹介します。
1. 【葉の状態】
胡蝶蘭に元気な葉が1枚でも残っていたら、胡蝶蘭はまだ枯れていません。
ただ残った葉がしおれていたり元気がなかったりする場合は、枯れている可能性が高いといえます。
2. 【根の状態】
胡蝶蘭の根が1本でも残っているなら、胡蝶蘭はまだ枯れていません。
ただし残っている根が細かったり、茶色や黒に変色したりししている場合は枯れている可能性が高いでしょう。
自分で捨てるなら
すでに枯れてしまった胡蝶蘭を自分で処分するには、どうしたらいいのでしょうか。
基本的に胡蝶蘭はごみの分別において、可燃ごみとして捨てることが可能です。
ただしごみ袋に入れるには胡蝶蘭はサイズが大きいため、花・葉・茎・根に分解してごみ袋に入れましょう。
胡蝶蘭の根の周りのミズゴケも、可燃ごみで捨てることが可能ですが、ミズゴケは水を切ってからごみに出すのが望ましいです。
胡蝶蘭に使用していたテープ・発泡スチロール・ポットや支柱類などは、自治体のルールによって可燃ごみかプラスティックごみか異なるため、確認してごみに出しましょう。
業者に引き取ってもらうなら
枯れてしまった胡蝶蘭を回収業者に依頼する方法は主に2つあります。
1. 回収業者に宅配便で送る
回収業者が指定する梱包をし指定の場所に配送することで、胡蝶蘭を回収してもらえます。
宅配便で送ることから、すぐに捨てたい場合やなかなか回収業者の予約の日時がつきにくいといったことがないため、便利な方法です。
【費用】
1鉢あたり1,000円〜2,000円程度が相場で、その他に段ボール配送費用がかかることが多いです。
2. 回収業者に回収に来てもらう
電話やメールなどで回収業者に回収日時を予約し、指定の場所で胡蝶蘭を回収してもらえます。
梱包作業がなく、胡蝶蘭の処理も回収業者に任せられ手間をかけずに処分できる方法です。
【費用】
胡蝶蘭の引き取り料(1鉢あたり1,000円〜2,000円)に加え、出張地域・交通費などによって出張費がかかります。
いかがでしたか?
胡蝶蘭の状態に合わせて、育て方も変えてあげてくださいね。
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